2016/03/28バーバリーの歴史
バーバリーはイギリスで生まれた高級ファッションブランドです。
バーバリーチェックやトレンチコートといった英国スタイルのイメージにもなっているデザインが特徴的で、イギリスを代表するブランドとして世界中で知られています。
日本ではインポートのほかにバーバリーブルーレーベルやブラックレーベルといった三陽商会によるライセンス商品が2016年まで展開され、圧倒的な知名度と絶大な人気を誇っています。
日本でも人気の高いバーバリーには160年以上の歴史があります。
バーバリーの歴史を見ていきましょう。
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創業者トーマスバーバリー
バーバリーは1856年にトーマスバーバリーによって創業されました。
1835年にイギリスのサリー州ブロッカムグリーンに生まれたトーマス・バーバリーは服地商の見習い職人を経て、1856年に若干21歳でイギリスのベイジングストークに洋服店を開業します。
幅広い商材を扱う品揃えの良さや常に機能性や着心地を追求し続ける意識の高さからとても人気があり、1970年代には遠方からはるばるバーバリーの店を訪ねてくる人もいるくらいの大きな店へと発展しました。そして1879年、ギャバディンという防水性と耐久性に優れた新素材を発明したことでバーバリーの名は一気に広まっていきます。
もう少しで第一次世界大戦が勃発する時代ということもあり、機能性に優れた軍服の需要からバーバリーのギャバジンコートは英国陸軍からも注目されます。バーバリーはマーケティングの才能もあり、自身の防水コートをキッチナー卿やベーデン=パウエル卿といった軍人に着てもらうことで販促を行っていました。1888年にギャバディンの特許を取得し、1917年までその製法を独占することで一躍有名になります。ギャバジンが極地探検家の防寒着やテントに使用されたり、イギリス陸軍がトレンチコートを正式採用したことで1919年にはジョージ5世からロイヤルワラントを与えられました。
国内だけでなく海外からも需要の高かったバーバリーは、求める声もあり1891年にイギリスのロンドンに本社を移転。その年のバーバリーロンドンのテーマは「品質へのこだわりや生地の革新」。革新的なアイテムを数多く発表しました。
1917年、トーマス・バーバリーは82歳で引退します。引退後は最初にお店を開いたベイジングストークに近いフックという街に自宅を移し、1926年に91歳で亡くなるまでそこで暮らしました。
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タイロッケンコートの開発
バーバリーはタイロッケンコートを1895年に開発します。
タイロッケンコートとは「ひも(タイ/帯)でロックする」という意味を持つ名前の通り、フロントボタンではなく1本のベルトでロックするコートです。1895年のボーア戦争の際に軍に採用されました。軍服として作られたこともありとても丈夫な作りをしており、トレンチコートの前身となったコートでもあります。
トレンチコートとの違いは前ボタンがないことやDカンの金具がついていないことなどで、シルエットなどはほとんど変わりません。
似たようなデザインのコートに、アクアスキュータムのロッカビーコートがあります。ロッカビーコートもタイロッケンコートと同じくトレンチコートの前身となったコートといわれており、なんと同じくらいの時期に開発されています。
今となっては真相はわかりませんが、当時戦争に伴って軽くて防水性のある機能性の高い軍服が早急に求められていたため、防水性の高い生地や縫製の実力があった2つのブランドに軍から開発要請があったか、あるいは共同開発が行われていたのではないでしょうか。戦争は皮肉にも様々な実用品を発明させますが、それはファッションも例外ではなかったことが伺えます。
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バーバリーチェックの登場
バーバリーチェックはキャメル色の布地に黒、赤、白のラインで構成されたチェック柄で、バーバリーの顔ともいえる模様です。多くの人がバーバリーといえばこのチェック柄を想像するのではないでしょうか?
バーバリーチェックは1924年にトレンチコートの裏地として登場しました。当時のイギリスではウィンドゥ・ペーンと呼ばれる窓の格子のようなチェック柄が流行しており、「カントリー・タータン」という柄にアレンジを加えたものを公募にて決定しました。
バーバリーチェックが一大ブームを起こしたのは1964年の東京オリンピックがきっかけです。
英国代表の選手が腕にかけていたトレンチコートの裏地がきっかけで世界中で大流行しました。
バーバリーチェックが裏地以外で使用されるようになったのは1967年、コレクションで傘に使用したのが最初です。
その後スカートやバッグにもバーバリーチェックが使われるようになり、今のバーバリーのイメージが出来上がります。
バーバリーの製品であることがわかりやすい上にデザイン性の高いチェック柄は瞬く間に世界中に広がり、バーバリーはトラッド系の定番の代表格として愛されるようになっていきました。
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バーバリーの日本での展開
1915年に丸善がバーバリーコートをレインコートとして輸入を開始したのが最初の日本での展開です。
当時の日本は洋風化が進んでいたとはいえ、生地は重く通気性の悪いレインコートがメインでした。そのためインポートとして登場したバーバリーのコートは革新的なアイテムでした。
1965年、三陽商会がコートの輸入販売開始しました。1970年に三陽商会はバーバリーとライセンス契約を結び、日本人に合わせたサイズのバーバリーロンドンを展開します。
しかし、英国スタイルは良くも悪くも重厚感があり、また価格帯も高級ブランドだったこともあり、中高年向けのブランドというイメージがついていました。 その状況を打開すべく、1996年に三陽商会は新たなライセンスブランド「バーバリー・ブルーレーベル」をスタートします。バーバリーブルーレーベルは、若い女性をターゲットにオードリー・ヘプバーンが20歳だったら何を選ぶかというコンセプトをテーマに流行を取り入れたデザインを展開します。
オリジナルバーバリーの英国らしさや伝統的な良さは残しつつ、トレンドを組み込んだデザインはこれまで見向きもしなかった若年層に受け、安室奈美恵さんや吉川ひなのさんといった芸能人が愛用していたこともあり、一時は社会現象といわれるほどの人気を博します。
1998年にブルーレーベルに続いて「バーバリー・ブラックレーベル」が発表されました。ブラックレーベルは主に25歳から35歳のメンズをターゲットとしたライセンスブランドとしてスタートします。
ブラックレーベルの登場で若い男性からも支持されるようになり、若者から中高年まで幅広く愛されるブランドへと成長しました。
一方本国では、1999年にはジル・サンダーのアシスタントデザイナーだったロベルト・メニケッティをクリエイティヴ・ディレクターとして迎え、最上級のライン、バーバリー・プローサムを発表します。アイテムもほとんどを一新し、新生バーバリーがスタートしました。
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ミレニアムからのバーバリーの展開
2000年には春夏シーズンにミラノコレクションにてバーバリープローサムのメンズラインも発表。
「プローサム」とはラテン語で「前進」を意味し、バーバリーの伝統にモード性を加えてモダンなスタイルを目指すようになります。
2002年春夏より、ダナ キャラン、グッチで経験を積んだクリストファー ベイリーがクリエイティヴ・ディレクターに就任。
クリストファー ベイリーはバーバリーの定番であるチェックをコレクションラインから一掃し、バーバリーのブランドに新しいイメージを吹き込みました。
以後、クリストファーベイリーは世界でもっとも影響力のあるデザイナーの一人と言われています。
2004年には新柄「バーバリー・ドット」がスタートしました。
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新生バーバリー
日本では2008年に「バーバリー・ブラックレーベル」からレディスの展開が始まります。
ブルーレーベル、ブラックレーベルともに絶大な人気を誇り、それぞれメンズやレディースの展開が行われていました。
2009年、本国でクリストファー ベイリーがチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任。
その後2014年にクリストファー ベイリーはCEOに就任し、三陽商会とのライセンス契約終了を発表しました。
この決定により、三陽商会がライセンス展開していたバーバリーのブラック・ブルーレーベルなどメンズ・ウィメンズが、2015年春夏シーズンをもって終了します。
アパレル以外にも眼鏡や腕時計といったいくつかのアイテムが日本でライセンスを結び、製造されていましたがこれらも2019年までにすべて終了しました。
これにより、現在では旗艦店によるインポートの販売のみが行われています。
また、バーバリーブルーレーベルやバーバリーブラックレーベルの後継ブランドとして三陽商会からブルーレーベル・クレストブリッジ、ブラックレーベル・クレストブリッジの両ブランドが展開されています。
2016年以降は本国のバーバリーもラインを刷新、新しいデザインやアイウェアコレクションなどを展開し、これまでとは少し違うバーバリーブランドを発信しています。
伝統的で品格の高いバーバリーらしい展開がこれからも期待されます。
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