意外と知らないリーバイスのヴィンテージについて
ヴィンテージデニムといえばリーバイスのイメージですが、そもそもヴィンテージとはどういったお品物を指すのかを皆様ご存知でしょうか?
お手持ちのお品物がヴィンテージのお品物であるのかどうか判断に迷ってしまうことが多々あるのではないかと思います。
実はリーバイスのお品物であってもヴィンテージ扱いできるお品物はかなり限られているのです。
赤耳やBIG E、501XXなど様々な仕様や状態がございますが、今回の記事ではどのようなお品物がヴィンテージに当たるのかどうか、どういったお品物がお値段が付くのかなどをご紹介させていただきます。一言でヴィンテージと言ってもかなり奥が深いので、お時間のある際にご覧くださいませ。
どういった物がヴインテージなの?
正直この線引きは非常に難しいものではありますが、ヴィンテージと判断されるお品物はおよそ40年から50年以上前のお品物であるケースが多くございます。
もちろんお品物によってはそれ以前のお品物であってもデッドストックであることなどからヴィンテージの扱いをされることもございます。
15年や20年ほど前のお品物がヴィンテージになるかというと正直難しいところではございます。
また、ヴィンテージ=ボロボロというイメージを持っている方も少なくないのではないかと思います。
ボロボロであっても製品としての価値があるものもございますが、大きな穴が開いていたり、あまりにもダメージが酷すぎるものに関してはたとえヴィンテージであっても価値がなくなってしまいます。
製品としての価値があり、50年以上前のお品物であれば ようやくヴィンテージという判断ができるようになります。
リーバイスのチェックポイント①【パッチ】
〇デニムのパッチ
リーバイスはパッチさえしっかり残っていればかなり明確に年代を割り出すことが可能でございます。
54年までのNo.01デニムには必ずくぁのパッチが付き洗ってしまうと縮んでて折れてしまうことが特徴でした。
翌年の55年には欠損しないよう、厚めの紙素材に変更がされました。ちなみに品質保証を意味するEvery~の一文から始まるものはギャラ入りと呼ばれております。
60年代には品質保証をするEvery~の一文の記載はなくなり、のちに100% COTTON MADE IN U.S.A WPL423の印字に変更されました。その後は丈夫なデニムを意味するXXの記載がなくなり、それに伴い各品番も編網されることとなりました。
急な品番の変更に混乱しないよう以前の品番を小さく印字されたパッチを通称ダブルネームと呼ばれるようになりました。これが1966年の出来事です。
67年から69年にかけては通称タイプ物と呼ばれるパッチになり、品質を表示するアルファベットが印字されるようになりました。このアルファベットは品質以外にも出荷先を管理していたともいわれております。このようにパッチの細かい仕様の変更から年代を割り出すことも可能 となっております。
リーバイスのチェックポイント②【赤タブ】
赤タブと呼ばれるディテールによっても 年式の大まかな判別は可能 でございます。
1936年から1952年に使用されているタブが通称「片面タブ」 と呼ばれる片方のみに刺繍が施されているものです。この時はまだレジスターマークも印字がされておりません。
53年からは両面に刺繍を施した 「全面タブ」へと変更されました。この時からレジスターマークも登場し、特徴的なのがLEVI'SのVの事態が左右均等であることがあげられます。
66年からはVの事態が変更され左側が太いタイプのものになりました。
74年以降にはLEVI'SのEが小文字のeに変更さたり、刺繍がプリントに変更されたりと、赤タブでも細かい年代の判別が可能となっております。
余談ですが、刺繍からプリントに変更されたことで、最初は偽物ではないかと勘違いしてしまう方もいたそうです。
リーバイスのチェックポイント③【ボタン類】
トップボタンや小股ボタン、リベットなどもリーバイスを語る上ではかなり重要なものの一つですね。
ただし、トップボタンの変化は1940年代以降は判別が非常に難しいといわれております。1930年代から40年代のボタンは比較してみると、微妙に違いがあることに気が付くことが出来ます。こちらだけで年代の判断をすることは非常に困難とも言えます。
小股ボタンに関してはパッチが欠損しているときに革パッチなのか紙パッチなのかを判別するのに大きく役に立つポイントとなっております。
大きく分けて3種類あり、よく耳にするのは 足長Rボタンではないでしょうか。こちらは1955年から59年代に見られる小股ボタンでございます。
リベットは非常に地味なディテールではございますが、 刻印の変化は大きくあるので覚えておいて間違いない知識とも言えます。
ここで注意すべき点は{Co}のoの文字に注目です。30年代の刻印はoがかなり小さく見えます。
また、ボタンの裏側に刻印があり、 これは製造工場を指しているということが有力視されております。
この刻印は1950年代から始まったと言われており、大体の年式の判断もできる重要な要素となっております。
代表的な刻印として555刻印や16刻印、524刻印がございます。555刻印はバレンシア工場で作られた証であり、リーバイス好きにとってはたまらない刻印と言えます。
16刻印のモデルは50年代から70年代にかけて稼働していた工場の刻印とされ、通常では見ることのできない生地のモデルやディテールのモデルが存在するということから注目されております。
リーバイスのチェックポイント④【ビッグE】
1971年に株式公開時にリーバイスは赤タグのブランドネームを LEVI'SからLevi's へと変更しました。
このことから1970年代前半のリーバイスのデニムはビッグE と呼ばれ、年代の判別やヴィンテージアイテムとしての価値を見出すために非常に重要なポイントとなりました。
2018年現在から遡ること40年以上も前のお品物という判別が可能になりますので十分ビンテージとしての判断が出来ますね。
その反対で現行のモデルが スモールe と呼ばれ、価値はやはりビッグEの方が高くつく場合が多くございます。
また同じビッグEでも復刻版と呼ばれるモデルもあり、また判別が難しくなりますが、今までご紹介してきた部分を総合して判断し、ヴィンテージのお品物なのか、ヴィンテージとは呼べないお品物なのかを判断してくことが出来ます。
リーバイスのチェックポイント⑤【赤耳】
最後にリーバイスを語る上で欠かせないのが赤耳ですね。
そもそも赤耳とは、 デニムのアウトシームのセルビッチに赤い縫い糸があることから赤耳と呼ばれることになりました。
デニムの生地メーカーであるコーンミルズ社が、リーバイス社専用のデニムに赤い線を入れることがきっかけなりました。
80年代以前のリーバイスの501は29インチ幅の峡幅デニムを使用しておりましたが1983年にコーンミルズ社は伝統的に使われていた29インチ幅のデニムの生産を中止しました。
この時から501の赤耳デニムはそれまでに作られた29インチ幅のデニムの在庫から作られるようになり、脇割り(アウトシーム内側の製法)のデザインの商品が多く流通するようになってきました。
そして1986年ごろには29インチ幅のデニムの在庫がなくなり、501の赤耳デニムの製造は終了することとなりました。
赤耳であることから 1986年以前のお品物であるという判断をすることができますね。
最後に
一言でリーバイスのヴィンテージといってもここまで奥が深いのです。ヴィンテージの定義はあいまいなものですがこのように判断基準があれば、どの年代のお品物に当てはまるかどうかが判断できるのではないでしょうか。
ここには紹介しきれていない部分もまだまだございます。ヴィンテージの世界は本当に奥が深いですね。 実際にご家庭内にあるリーバイスのお品物がございましたら、今回ご紹介させていただいているチェックポイントをご確認してみるのも面白いかもしれませんね。
ご家庭にあったお品物が意外とお宝である場合もございます。 お時間のある時にはぜひご確認してみてはいかかでしょうか。 今回は奥が深いヴィンテージのお品物「リーバイスについて」でした。もしも自分のリーバイスを売却したいな、と感じた際にはエコスタイルにご相談ください。ご利用の際には利用しやすい方法でお気軽にご相談ください。
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